プログレ

「深淵な」という形容がよくされるように、プログレッシヴ・ロックプログレは実に奥深いジャンルである。
1960年代後半にイギリスで誕生し、1970年代後半にかけてロックシーンを席巻した。大西洋を渡ってアメリカではプログレ・ハードがメインストリームに躍り出る中、パンク・ロックが支持を強めプログレは衰退。1980年代中盤には再びプログレが注目を集め、ネオ・プログレと呼ばれるように。80年代後半からはヘヴィ・メタルとの親和をより一層強めた。それ以降現在に至るまでプログレは、ロックおよびメタルの両者において表現の一手法として多用されている。

プログレに限った話ではないが音楽性の定義は曖昧であり、また聞き手個人個人でも異なる。ただプログレに属することの十分条件は多々あるが、そのうち最も基本的なことには次のようなものがある。

  • アルバムを通してコンセプトが一貫している
  • 大作主義
  • 演奏重視
  • 主にクラシックやジャズなど、さまざまな音楽の要素を取り入れている

すべてを満たしている必要はないし、逆にすべて満たしていても必ずしもプログレに属されるとも限らない。あくまで指標・目安である。

10大プログレ

プログレッシヴ・ロックバンドの中には「三大プログレ」だとか「五大プログレ」だとかいう枠組みで語られるものがいる。

これはプログレというものを聴くにあたって、必ず一度は通る道、通ったほうがいい道を示す道標のようなもの。つまり語る上で外せない重要なバンド、ジャンルの発展に大きく寄与したバンドということ。
義務教育で無理矢理やらされる歴史の授業のようなものだ。それが好きになるも嫌いになるも、勉強してみなければ、聴いてみなければわからない。ただ基本的な知識を培うためには必要なものということ。

ただなにが「三大」なのか、なにが「五大」なのかは人によって異なるものであり、論争に論争を重ねて血を見ることになる。
なのでより選択肢を拡げることで、その争いの種を少なくしようと「十大プログレ」とすれば良いという流れもある。

いろいろな制約の下、俺が10個選ぶなら次の10バンドにするだろう。

  1. Pink Floydピンク・フロイド
  2. Genesisジェネシス
  3. Yes (イエス
  4. King Crimsonキング・クリムゾン
  5. Emerson, Lake & Palmerエマーソン・レイク&パーマー
  6. Rush (ラッシュ)
  7. Marillion (マリリオン)
  8. ALI PROJECT
  9. Dream Theater (ドリーム・シアター)
  10. The Flower Kings (フラワー・キングス)

一応断っておくが、紹介した順番はランク付けではない。デビューの早い順に並べただけだ。
たこの10バンドを選んだときに考えた制約はというと、

  • プログレッシヴ「ロック」からだけでなく「メタル」からも選ぶ
  • 派生バンドやソロワーク、スーパーバンドは除く
  • ある程度の期間活動しており、作品数も少なくない
  • 日本からも1つ選ぶ

これでも非常に悩んだ。Kansas、Uriah Heep、Fates Warning、Porcupine Tree、The Mars Voltaなど名が挙がっては泣く泣く消したバンドも。プログレッシヴ・デスメタル系も入れようかとか、インスト系も入れようかとか。
日本からのものも、人間椅子とかノヴェラとかもっとプログレとして分かりやすいところを選ぶべきかと思ったが、埋もれてしまわないようにより個性が強烈なものを選んだ。
前にも言ったとおり、プログレの定義は個々人異なるものなので、俺がプログレだと思うバンド・グループの範疇から選出している。

もちろんこれらのバンド以外にも、聴いておかなければならない教科書的作品も存在する。 のちの記事で10バンドの作品を幾つか紹介するのに加え、ほかバンドの重要な作品も紹介したい。

ちなみに

俺が「三大プログレ」を選んだら、

  1. Pink Floyd
  2. King Crimson
  3. Yes

そして「五大プログレ」を選んだら

  1. Pink Floyd
  2. King Crimson
  3. Yes
  4. Genesis
  5. Emerson, Lake & Palmer

異論は認める。

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